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月に2回のドイツ語Cレベルクラス。次回のテーマは Konsequenzen aus dem Wahlergebnis... https://t.co/mt1Y8QjE1Z

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連載 キャンベラからの便りNo.5 「犬をめぐる世界」

キャンベラに引っ越してきて、早1年余。dog

「引っ越してきました」の挨拶などしないこちらでは、「隣は何をする人ぞ?」と、なんとなく
をし合っては情報交換することはあっても、接点がないと隣人ではあっても、なかなか知り合
いになれない場合も多くあるようです。
子供がいれば、子供のつながりで行き来があったり、集まったりすることがあります。
私たちの「子供」はふさふさの毛、しっぽ、よく効く鼻と耳を持っていますから、散歩の際に同
じ種類の「子供」をもった方々と挨拶を交わし、そのお陰で顔見知りになれることがよくありま
す。可笑しいのは、ワンちゃんの性格や年齢、名前は知っているのに、半分くらいの飼い主さんのお
名前は知らないこと。

「チャーリーは、レスキュー・ドッグだったの。男の人を見ると、ちょっと緊張しちゃうのよ。」

「トミーは、耳が全然聞こえないんだよ!」

「ロージーは、デイジーの後をいつもくっついて走ってるんだ。デイジーはちょっとお姉さんだ
から、ロージーがうるさくても、いつもリードしてやるんだよ」

「ラスティーは、最近あまり食べなくなってきてね。年齢のせいだと思うけど。歩くときも、休
み休み、ゆっくりなんだよ。やあ、 キュウイー(私たちの犬の名前・・・を少し間違えた呼び
方)!元気かい?いい子、いい子!」

「トンビーは、子犬の頃、パピー・クラスに通っていたの。だけどね、落第しちゃったのよ!とっ
てもいい子なんだけど、号令をかけても、さっと車に乗ることができなかったの。その時は、子
犬だったけどもう40キロもあったのよ。あら、この子は便秘気味なの?サーディンの缶のオイ
ルを少し舐めさせたら、効くかもしれないわよ。」

「ウィンストン!インディ!行くよ!やあ、こんにちは!この犬(私たちの)には、前に有った
ことがある気がするな・・・」

「シンバも、よく夜中に吠えるのよ。困ったものだわ。あ、知ってる?この公園には朝7:30
頃までにくると、皆さん犬を遊ばせに来られているわよ。その頃にこの子もつれてきたら、皆と
遊ばせられると思うわ。」

毎日の散歩で出会う方々だけでなく、初めて出会う方にも、彼らのちっちゃな家族にまつわる話
を聞かされることもあります。

「私たちも少し前まで犬を飼っていたの。でもね、大きな犬で、よく脱走したのよ。それでも、
私たちは彼をかわいがっていたし、ちゃんと世話しようと頑張ってた。でも、近所の人が、RSPCA
に通報したの。うちが犬をちゃんと世話していない、って。それで、RSPCAに連れて行かれちゃっ
た・・・」

RSPCAとは、英国動物虐待防止協会のことで、一般的に傷ついた動物、飼い主の所に戻れず彷徨っ
ている犬などを見つけたら、まずここに連絡をいれる、というくらい、動物保護に関して名の知
られた団体です。
犬や猫を家庭に迎えたい、と思ったとき、まずこの団体に問い合わせてみる、という人は少なく
有りませんが、動物保護の観点から、迎え入れる家庭の飼育状況を厳しく調べ、またそれでもこ
こから引き取りたいと希望する家庭が多く、競争率が高いことも事実です。
私たちの犬を迎える際に、RSPCAから引き取ることを考えたのですが、キャンベラの郊外のひと
つにあるRSPCAの施設まで行ってみると、子犬たち、また小型ー中型の犬はもうほとんど引取先
が決まっていました。
しかも、犬については「犬が自由に行き来できる裏庭があること(主に排泄の自由がきくことを
目的としているようです)」が引き取り条件として揚げられており、前庭はあっても、裏庭はない
私たちはRSPCAからの引き取りを断念し、別の方法で今飼っている犬と出会うことができました。

さて、毎週火曜か水曜に(この辺も大雑把)各家庭に配られるフリーペーパー「シティ・クロニク
ル」によると、近郊のオコナーに作られる予定の「ドッグ・パーク」は、どうも草なしの埃っぽ
い地面で作られるようです。

去年の8月に「オコナーに作ります」という決定を新聞で読んだ記憶があり、確か今年の8月完
成予定、とのことでしたが、未だに地面を草敷にするか、しないかなど議論をやっているようで
すから、なんでものんびりしているキャンベラのご多分に漏れず、私たちが楽しみにしているこの
パークも完成が遅れるかもしれません。

dog2このタイトル、 goes to dogs には、ネガティブな意味合いがあるようで、記事を読んでみると、
「草敷になるかもしれなかったのが、気候、また他の公園に使わなくてはならない水資源の関係
で草敷は諦めなくてはならない」こと、「オコナーのドッグパークは負けた」との意味合いで使
われている表現のようです。

それでも、犬たちはパークの完成など待たず、飼い主と一緒に毎日この辺りを嗅ぎ回り、自分の匂
いを付けて回り、顔見知りの犬同士、また新しい犬同士の挨拶に余念がありません。

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