#64 月光のファンタジー

月は遠すぎる

  当初、核廃棄物は全く問題ではないと言われていました。学者たちが、次々に素晴らしい廃棄処理案を考え出していたからです。例えば地中で浸透させる、『核 の沼池』をつくりそこへ投棄する、地下水に流入させる、河川に排出する、海中に沈める、砂漠に廃棄する、地中に埋める、かつての防空壕に保管する、鋼鉄製 の箱に密閉する、北極の氷中で凍結させる…。宇宙空間あるいは月面へ発射する、という案までありました。さすがにこの案は「遠すぎる」という理由で却下さ れましたが、他のいくつかの案は実際に使用され、現在も適用されています。