黒のパンツスーツに白いブラウス。
金色の大きなリングピアスを身につけて颯爽と出廷した
NSUメンバー、ベアテ・チェーペ容疑者。
手錠はかけられておらず、腕組みをしている。
その表情はリラックスし、少なからず微笑んでいるようにも見えた。
３週間前に行われるはずだった裁判は、
国外の記者が一つも席を確保できなかったという理由から延期されこの日に至った。
トルコ人移民８名、ギリシャ人移民１名が犠牲になったのにも関わらず…。
NSUとは？
Nationalsozialistischer Untergrund
日本語では国家社会主義地下組織とされる
ネオナチグループ。
何をした？
2000年～2007年にかけてドイツに移住していたトルコ人８名、ギリシャ人１名、ドイツ人女性警官１名の合わせて１０名を殺害。
更に2004年、ケルンにてトルコ人の経営する店で爆弾テロを起こしトルコ人ら２２名を負傷させるなどした。
資金稼ぎのための銀行強盗も複数はたらいている。
2011年11月、メンバーの自殺と逮捕
ウヴェ・ボーンハルドとウヴェ・ムントロスは強盗事件を起こした後、警察に追われ自殺、
ベアテ・チェーペは証拠隠滅を図ったのち警察へ出頭、逮捕された。
注目すべきは
ベアテ・チェーペ容疑者がこの事件にどのように関わったのか、
そしてNSUが単独で犯行をしていたのではなく、
協力者が多数いたことへの疑いである。
98年に家宅捜索をされていたのにも関わらず、
１３年間も捜査の手が行き届かなかったのはなぜか。
大きな話題となっている裁判だが、
ベアテ・チェーペ容疑者は黙秘を決め込んでいるようだ。
参考：
Anklage gegen Beate Zschäpe
（こちらは昨年11月の記事ですが事件の内容、どう発覚したかなど全貌がまとまっています。）
Der NSU-Prozess: Neonazis vor Gericht
（こちらはお馴染みDeutsche WelleのTop Themaです。単語の勉強にもなりますよ！）