違法移民たちの墓 トルコ、ギリシャの国境

 

トルコのイスタンブールにたくさんの難民の姿があった。

 

毎年100000人を超える難民が

ここイスタンブールを経由して

EUであるギリシャへ入国するルートをとる。

 

そのリスクは大きい。

 

ギリシャの国境近くにあるイスラム教の小さな村には

そんなよりよい生活を夢見ながら亡くなった

200を超える難民たちの墓地がある。

 

トルコには不法入国を仲介するSchreuserたちがいる。

彼らの多くもまたイラク、イラン、アフリカやインドからの難民たちである。

SchreuserたちはまずEUへ出国したい難民を集める。

料金は1人約1500ユーロ。

日本円にして約15万円ほどだが、トルコに不法滞在中の彼らにとって

これだけのお金を用意するのは難しいのが現実だ。

人が集まると30人ほどが乗れる車を用意。

小さい車なら2台に分かれ、国境近くまで乗せていく。

 

国境近くには警察、軍、そしてFrontexたちが巡回している。

見つかりそうになる度に車を留め、

難民たちを隠し、

警察が見えなくなるとまた出発する。

国境近くまで3~4時間。

車を降りると川岸までは徒歩で行かなければならない。

数時間歩くこともある。

トルコからギリシャへのルートでは海はないが

この川越えが命取りとなる。

川越えの前に警察に見つかれば

お金を払っていてもSchleuserたちは助けてはくれない。

ただ逃げるだけだ。

 

川越に成功したアルジェリアからの難民 Djamalは言う。

 

お金を払って

死ぬものは死ぬ

生き延びるものは生きる

それだけだ。

 

川を越える時、

2人が死んだ

もう終わりだと思い

母を呼んだ。

自分は運良く川の中から抜け出せた。

 

毎日子供が死ぬ。

この前シリアから家族が4人の子供を連れてやってきた。

6ヶ月の赤ちゃんと2、3歳の子供たち。

寒いのに十分な服もなくここへやってくる。

 

 

川越に成功し、びしょ濡れになった難民たちは

ギリシャの小さな村ネアヴィサにやってくる。

夢のEU

だがこの村に職はない・・・。

 

続く

 

ARD Friedhof der Illegalen より