原子力発電所から排出される放射線廃棄物質は、DNAにも侵入します
原 子力発電所は、大気中や水中に大量の放射性水素(トリチウム)を排出しています。これを人間、動物、植物は、呼吸や食事によって体内に取り込んでしまいま す。生物の体は、トリチウムやそれを含んだ水分を、通常の水素や水と同じように扱うので、遺伝子にも直接取り込まれてしまうのです。これは病気や遺伝障害 の原因となります。
原子力発電所から排出される放射線廃棄物質は、DNAにも侵入します
原 子力発電所は、大気中や水中に大量の放射性水素(トリチウム)を排出しています。これを人間、動物、植物は、呼吸や食事によって体内に取り込んでしまいま す。生物の体は、トリチウムやそれを含んだ水分を、通常の水素や水と同じように扱うので、遺伝子にも直接取り込まれてしまうのです。これは病気や遺伝障害 の原因となります。
高濃度放射性廃棄物の安全な最終貯蔵施設は、今日まで世界のどこにもまだ存在
しません。
核廃棄物の最終処分場は、何世代にもにわたり地理的に安定した場所でなければなりません。また周辺環境も、できる限り核廃棄物やその貯蔵タンクと化学反応 を起こさないような状態でなければなりません。生物圏や各種原料の産出源から遠く離れ、および人間の営為の影響を受けず、さらには放射性物質が海水に流出 しないような地域。
そのような所は、今のところ地球上には見つかっていません。そもそも、こんな場所が本当に存在するのでしょうか。
ゴアレーベン最終処分場を実現するために、ドイツ政府は地質学者に緘口令を敷きました
かつて最終処分場に関する最高参与を務めていたヘルムート・レーテマイヤー教授は、1983年、幾度にもわたるボーリング調査の結果、氷河期の細溝が入った岩が、ゴアレーベンの岩塩層を覆っており、これでは将来的に生物圏に汚染が及ぶ恐れがあると結論を下しました。そのため彼は、同僚の研究者たちと共に他の候補地の追加調査を奨めようとしたのですが、CDU / FDP連立内閣が干渉し、専門家の判断による推奨を黙殺したのです。今日でも、CDU、FDPおよび原子力推進団体は、ゴアレーベンの岩塩層は最終処分場として適切であると主張し続けています。
原子力の民間的な利用と軍事的な利用を区別できない
ウラン濃縮設備が原子爆弾用の濃縮ウランも製造できる。大量のプルトニウムも製造できる。ホット・セルでは原子爆弾の製造も可能である。なぜなら、再処理工場では原子力発電所の使用済み核燃料の中から原子爆弾の材料となりうるプルトニウムを取り出すからである。
原子力の民間的な使用という名の偽装により、核兵器を開発した国が少なくない。原子力発電所が増えるほど、軍事的な、またはテロリストによる悪用の危険性も高まる。
原子力発電所は、煙突や排水管から放射性物質を排出しています。
ど の原発にも、排気煙突と排水管があります。ここから、トリチウム(三重水素)、炭素、ストロンチウム、ヨウ素、セシウム、プルトニウム、クリプトン、アル ゴン、キセノンといった放射性物質を排出するためです。これらは空気中に放出され、水中や地面に降り注ぎ、蓄積濃縮され、生物器官に取り込まれます。一部 は体細胞にまで入り込んでしまいます。こうした放射性物質が取り込まれた部分は、特にガンが発生しやすく、子どもにも影響が遺伝します。
放射性物質の排気や排水による放出は、官庁が認可していることなのです。通常、放射性希ガスと放射性炭素は1000兆ベクレル、トリチウムは500億ベクレル、放射性粒子状物質は300億ベクレル、放射性ヨウ素131は約100億ベクレルの排出が認められています。つまりこれだけの数値の放射性物質が、毎年、各原子力発電所から、それぞれ排出されているのです。
排出量が基準値を満たしているか、定期的に測定検査が行われますが、それは原子力発電所の運営会社が独自に行っているにすぎません。
放射性廃棄物の最終的な貯蔵問題は、まだ一度も技術的に解決していません
核 分裂が発見されて70年経った今でも、人々や環境が危険にさらされないためには、高レベル放射性廃棄物をどのように、ましてやどこに保管すべきなのか、明 らかになっていないのです。 原子力推進派の主張とは異なり、放射性廃棄物の貯蔵問題に関しては、多くの安全性に対する疑問に全く解決の目途が立っていません。 現にアメリカは先ご ろ、人間と環境に対する深刻なリスクを考慮して、ユッカ山脈における核廃棄物貯蔵計画を中止しました。スウェーデンの、花崗原成岩への廃棄物貯蔵という構 想も見送られようとしています(#61参照)
そ してドイツ・ゴアレーベンの岩塩地層は今、どうなっているでしょうか。ここは広範囲にわたって地下水で浸水しているのです。本来ならば、放射性廃棄物処理 場アッセⅡにおける浸水を経験した後、ゴアレーベンの処分場としての『適性』をめぐってさらなる議論が行われるべきだったのです。
再生可能エネルギーでエネルギー提供を100%カバーすることが可能である
現 在では既に再生可能エネルギーは世界中のエネルギーの需要の1/6以上を満たしている。原油、ガス、石炭、ウランなどが切れかけ、地球温暖化が進む一方、 太陽、風力、水力、バイオマス、地熱などは永遠に切れることはないだろう。エネルギー提供を100%、再生可能エネルギーに代えることが可能であること を、様々な調査が明らかにしている。しかも、これが唯一残っている手段でもある。
いわゆる使用済燃料再処理は、核廃棄物からさらに多くの核廃棄物を生みます
使用済核燃料再処理施設―あたかもちょっとしたリサイクル設備のような響きがします。しかし実際のところ、この処理では核廃棄物のうちの約1%、つまりプルトニウムしか、新たな燃料として利用することができません。結果として、再処理を行うとさらに多くの核廃棄物が発生してしまうのです。このことから、フランスでは再処理施設ははっきりと「プルトニウム工場」と呼ばれています。
核燃料再処理施設は世界で最も大きなの放射性物質拡散場でもあります。いわゆるMOX燃 料(再処理によって取り出される、ウラニウムとプルトニウムを混ぜた原子力混合酸化物燃料)は生産、輸送、原子力発電所での使用、いずれの場合において も、ウランのみから生成した新品の燃料に比べ、明らかに危険なのです。さらに、「プルトニウム工場」で生産される燃料は原子爆弾の原料にもなります。
ドイツの原子力発電所は、国際的に比較しても安全ではありません。
ドイツの原子力発電所は「世界で最も安全」なのでしょうか?
とんでもありません!OECD(経済協力開発機構)による1997年の国際安全比較において、炉心溶融の安定性に関するドイツの原子力発電所(ビブリスB)の信用度は、最低レベルと判断されました。
非常に高い確率で水素爆発が予想され、鋼鉄製保護タンクも甚だ不安定であると、専門家は判断しました。所見に寄れば、「ビブリスは、メルトダウンが起きた場合、放射性物質の大規模拡散に至る危険性が極めて高い」のです。