雷ひとつが命取りになりかねません。
原子力発電所における停電、いわゆる非常停電の場合には、原子炉は最も危険な状態となります。非常時に確実な電力供給がなければ、炉心の冷却機能が失われ、メルトダウンに至る恐れがあります。ちょっとした悪天候ですら、その引き金になりかねないのです。
西ドイツの原子力発電所では、1977年から2004年の間に8回も、雷や嵐のために重要機器の停電や危機的な非常停電が発生しており、1977年1月13日の原子力発電所グントレミンゲンAにおいては、全体破損にまで至ってしまったのです。
浸水による危険も考えられます。フランスの大西洋沿岸にあるブライ原子力発電所は、浸水によって定期的に冷却機能が停止しています。