#21老朽化の危険性

原子力発電所の運転が長ければ長いほどそれだけリスクが高まる

 

技術と電子工学は永遠には持ちこたえません。ましてや原子力発電所に至っては永続するわけがありません。パイプは脆くなり、コントロールがきかなくなり、弁とポンプが機能しなくなります。ひび割れが大きくなり、金属が腐食します。デービス・ベッセ原子力発電所(アメリカ合衆国オハイオ州)では開口部が知らないうちに原子炉圧力容器の16cmの厚さのスチールを通して侵食していました。内側の薄いステンレススチールだけで漏れを防いでいたのです。

原子力発電所が長く運転すればするほど、そして古ければ古いほど、より運転が危険になります。そのことは届けを要する事象の統計からも読み取ることができます。ビブリスやブルンスビュッテルのような古い原子炉は新しいものよりも明らかに多いのです。

#61 花崗岩の裂け目

花崗岩そのものが、核廃棄物を埋葬するには不安定すぎます

今日まで全世界で適用されている、スウェーデンによる最終処分場のコンセプトは、言葉通り『脆い』ことが明らかになりました。160万年前から安定していると言われていた原成岩に、地震の痕跡があることを、地質学者が確認したのです。過去1万年間だけでも、この土地は58回にわたってマグニチュード8にも達する大地震が起きています。幸いにして、当時そこにはまだ核廃棄物は埋まっていませんでしたが。

#35 ケーブルの不具合

電気設備の欠陥は原発の発電の際には日常茶飯事である。深刻な結果を伴う。

2006年 夏、ヨーロッパは大災害寸前の状態にあった。スウェーデンのフォースマルク原発において、ケーブルで電気を流すときに判断ミスがあり、ショートと停電が起 こったために非常用発電機が動かなくなったのだ。あと数分で炉心溶解が始まる状態であった。同様の事故はほかにもある。ブルンスビュッテル原発では電気設 備の欠陥のせいで、1976年の原子炉の運転開始以来、非常時そして後続の冷却システムを使うための十分な非常用電気を供給することができなかった。さらにビブリス原発は間違った、粗野な、ぞんざいに作り上げられたケーブル敷設を順次すぐに申告しないといけない。



#32 利益の追求

利益追求は、原子力発電においても言えることです。安全よりも利益が優先されるのです―爆発事故の発生後でさえも。

2002年の初め、ブルンスビュッテル原子力発電所から出てきた調査団の顔色は「真っ青」でした。彼らは原子炉圧力容器の真横で配管―というよりも、まだ辛うじて残っていた25の配管の破片を―点検していたのです。

200112月、水素爆発が発生し、この太さ10センチの配管(厚さ58mm)は3メートルにわたって破砕しました。

当時の運営会社HEW(現在はVattenfall)は、「自然発生的なパッキン漏れ」であると報告し、配管を遮断したうえで―、なんと原子炉はそのまま稼働させ続けていたのです。冬場は、市場で電力価格が最も高くなるからです。キールの厚生省が強力な圧力を掛けたためにようやく、HEW2月中旬に調査を行うことを承諾しました。結果、この原子力発電所はその後13カ月にわたって停止されることになりました。

#55 中継倉庫

高濃度放射性廃棄物が保管されているのは、いくらかましなジャガイモ倉庫のようなところです

容 器内の核廃棄物は強い放射線を発しているので、外壁は非常に高温になっています。そのため、ゴアレーベン、アーハウス及び各原子力発電所に併設された核廃 棄物の中継倉庫には、巨大な通風スリットがあります。空気対流によって、貯蔵容器を冷却するためです。しかしもし貯蔵容器のひとつが密閉されていなかった としたら、放射性物質はそのまま大気中に拡散してしまうことになるのです。

#27崩壊した新築

新型の原子炉さえも安全ではない

フ ランスの原子力産業複合企業アレヴァが目下のところフィンランドとフランスに建造した、最新型だといわれているヨーロッパの加圧水型原子炉(EPR)にお いても、炉心溶融のような重大な事故さえ起こる可能性があります。大量の放射性物質が周辺の地域に達するかもしれないのです。 原子炉を操縦し、緊急事態 の際にはそれを停止させる制御システムはとても危険であり、 フィンランド、イギリス、フランスの原子力保安院が共同声明で抗議したほどです。 非常に安 全だといわれている新型の原子炉も、普通の飛行機の墜落に対してさえもまだ1度も保護されていません。この建設を中止するかわりに、フランス政府は問題を はらんだこの鑑定書にむしろ軍の極秘文書の烙印を押しました。

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韓国語のジニ先生による韓国、韓国語がテーマのブログです。

ドイツから帰国したあと、私たちは翻訳チームを結成しました。 ドイツの脱原発運動を日本で身近なものにするために。 第1回のプロジェクトとして私たちが着手したのはシェーナウ発電所(Elektrizitätswerke Schönau)の『原発に反対する100の理由』(”100 guten Gründe gegen Atomkraft”)の日本語翻訳です。  (こちらのリンクからドイツ語の原文が見れます。 -WrackAbのみなさん、どうもありがとうございます!) ....