#23 代用部品の不足

今のところまだ稼動しているドイツの原発は1974年から1989年の間に稼動しました。現在、原発を建設するための多くの部品はほとんどありません。し たがって修理するには代わりの部品を組み立てなければならないのです。しかし代用品がいかなる状況でも元の部品と同様に機能するとは限りません。そのよう なリスクを伴う計画は、深刻な結果を生むかもしれないのです。

#56 廃棄物運搬容器の放射能

核廃棄物運搬容器は、放射線を発しています

2008年 秋、核廃棄物を積載した輸送列車が傍を通過した際、環境保護アラームが基準値を超える放射線を計測するという事件がありました。ところが当局は、廃棄物を 積み替える際の詳細な検査測定を実施しませんでした。当局は、計測器すら携行していなかったのです。中継倉庫の管理会社GNSは、「わが社の従業員を不用意に放射線にさらしたくない」と発言しています。

#34 ホウ酸

原発管理者の多くが、長年にわたり組織的に操作マニュアルを軽視してきた。

17年 もの間、フィリップスブルクの原発は十分な濃度のホウ酸を非常用冷却タンクに入れていなかった。タンクにある水は原発が故障した際に原子炉を水で満たすこ とになっている。非常用冷却水中のホウ酸が不足すると、中心部から放射能があふれて、火にガソリンを注ぐような影響が出るのである。

管理者はこれを防ごうとせず、意図的に操作マニュアルの規定を無視したのだ。複数の捜査によって、ほかの原発においても長年にわたって非常用冷却システムがホウ酸不足のために機能しなかったということが明らかとなった。

#16 トリチウム

原子力発電所から排出される放射線廃棄物質は、DNAにも侵入します

原 子力発電所は、大気中や水中に大量の放射性水素(トリチウム)を排出しています。これを人間、動物、植物は、呼吸や食事によって体内に取り込んでしまいま す。生物の体は、トリチウムやそれを含んだ水分を、通常の水素や水と同じように扱うので、遺伝子にも直接取り込まれてしまうのです。これは病気や遺伝障害 の原因となります。

#47 最終処分場の未整備

高濃度放射性廃棄物の安全な最終貯蔵施設は、今日まで世界のどこにもまだ存在

しません。

  核廃棄物の最終処分場は、何世代にもにわたり地理的に安定した場所でなければなりません。また周辺環境も、できる限り核廃棄物やその貯蔵タンクと化学反応 を起こさないような状態でなければなりません。生物圏や各種原料の産出源から遠く離れ、および人間の営為の影響を受けず、さらには放射性物質が海水に流出 しないような地域。

 そのような所は、今のところ地球上には見つかっていません。そもそも、こんな場所が本当に存在するのでしょうか。

#58 専門家への緘口令

ゴアレーベン最終処分場を実現するために、ドイツ政府は地質学者に緘口令を敷きました

かつて最終処分場に関する最高参与を務めていたヘルムート・レーテマイヤー教授は、1983年、幾度にもわたるボーリング調査の結果、氷河期の細溝が入った岩が、ゴアレーベンの岩塩層を覆っており、これでは将来的に生物圏に汚染が及ぶ恐れがあると結論を下しました。そのため彼は、同僚の研究者たちと共に他の候補地の追加調査を奨めようとしたのですが、CDU / FDP連立内閣が干渉し、専門家の判断による推奨を黙殺したのです。今日でも、CDUFDPおよび原子力推進団体は、ゴアレーベンの岩塩層は最終処分場として適切であると主張し続けています。

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ドイツから帰国したあと、私たちは翻訳チームを結成しました。 ドイツの脱原発運動を日本で身近なものにするために。 第1回のプロジェクトとして私たちが着手したのはシェーナウ発電所(Elektrizitätswerke Schönau)の『原発に反対する100の理由』(”100 guten Gründe gegen Atomkraft”)の日本語翻訳です。  (こちらのリンクからドイツ語の原文が見れます。 -WrackAbのみなさん、どうもありがとうございます!) ....